父性を探す旅

 

父性。それは父親らしさ、をさすものではありません。

父性とは、家族の価値観であり、イエの在り方を規定する倫理に他なりません。

 

今日、どう過ごそうか。明日はどちらの方向に向かおうか。1年。5年後は。

女性親であれ、男性親であれ、進むべき指針を日々模索するものと思います。

父性は性別の別なく、関わりのある事です。

 

進むべき指針を考える上で、参考となる先行事例が少ない、あるいは見つけづらい昨今。

指針に正解などありませんが、その時その時の、各人にとり最適だと思える父性を見出すために。

 

ちょっとした手助けになるかもしれない、本の数々を紹介しています。

母の友

 

1953年創刊。子供、家族、社会にまつわる、軽やかなエッセイ、写真と共に添えられる小話は読み物として楽しむことができます。随所に描かれるイラストレーションも相まって、子育てを考える上で、役に立つ、役に立つけど、それだけじゃないシリーズ。

(1953年〜・福音館書店)

 

 


父たちよ 家へ帰れ

 

建築家・宮脇檀の暮らしのエッセイ集。娘との暮らしを通じた、宮脇流の食・育児・仕事のエトセトラ。内容の是非はともかくとして、男親目線でのイエづくりが描かれた数少ない書籍。父性のロールモデルを見出し難い日本社会。他所のイエづくりを垣間見ることができることは貴重かもしれません。

(1998年・新潮文庫)

 

 


未来住まい方会議

 

多拠点居住、モバイルハウス、小屋づくり。暮らしづくり、生き方づくりのアイデアが詰まった一冊。伴侶を得た時。子を授かった時。今の暮らしに疑問を覚える時。参考になるかもしれない本。

(2016年・三輪舎)

 

 


子は親を救うために「心の病」になる

 

親は子に育てられる。親は子育てを通じて生き直す。そんな言葉がありますが。その過程は難しい局面が多い事も事実で。子との関係における葛藤。葛藤から思い起こされる自身の親との関係の歴史。本書は精神科医・高橋和巳のカウンセリングを通じて得られた親子の関係性の記録。本書を通じて、子供との関係、そして両親との関係を今一度見つめ直すきっかけが得られるかもしれません。

(2014年・ちくま文庫)

 

 


父という余分なもの サルに探る文明の起源

 

父親の役割って何?悩める世の親に。ゴリラの生態から人類における家族、父親の存在を考えるヒントをもたらす山極寿一の書。父親なんだから。そんなステレオタイプに違和感を感じる方がいるならば。父とか父性って、そもそも文化的なもので、生来備わっていなくて問題はないし、これから積み上げてつくりあげれば良い話だよね、って思わせてくれる一冊。

(2015年・新潮文庫)

 

 


Kindling QUARTERLY

 

子育てのHow to本ではない何かを探している方に。アーティスト、シェフ、デザイナー。様々な立場の父親とその子育てをフィーチャーした一冊。子育てを控えた、あるいは子育て真っ最中の方の心に火をつける書。