窓辺の涙を誰も知らない

「ねえ、どうして泣いてるの？」

「なんでもないわ。私のことはいいから。さあ、グラウンドで遊んできなさい」

お盆の方南町に来ることになるとは。今も、真っ白な自転車で駆けているんですかね。元気だと良いのですが。人気の少ない、方南町の商店街。

しかし、アレですね。蕎麦屋がなくなってしまったようですが。Breweryあり、ジビエのお店あり。なかなか興味深い商店通りだこと。

やっぱり、ここですかね。駅前のマックで朝マック買って。頬張りながら、川沿いをとぼとぼと歩くふたり。そんな光景があるとか、ないとか。

それで、募集の建物なのですが。神田川から路地に入って、奥まったドンツキに建物ありますね。住宅街の奥の奥、という感じ。それで、エレベーター御座いません。外階段をのぼって、最上階の3階。角部屋の手前のお部屋。角部屋じゃない、がポイントです。

お邪魔しまっ...　あらあ

なんだか、きらめいて　シンプルなワンルーム。内装も、全然奇抜でもデザイナーズでもないのですが。なんでしょう、Goodですね。何が良いのかって、大きな窓、窓の外の緑ももちろん良いのですが。お部屋がちょっと突き出ていて、若干角部屋っぽく感じられる点が、一番グッときた点かもしれません。

キッチンはかわいらしいコンパクトなサイズ感です。3点ユニットです

それと、冷蔵庫置き場ですが。シューズボックスの脇に、スポッとおさめると、案外室内を広く使えそうな気がします。コンセントは室内にあるものを使うと良いと思います。

バルコニーがなく。一応、洗濯物は干せそうね、と思ったのですが。お隣さんの目が気になる場合は、室内干しもご検討ください。ところで、目の前には小学校ですか。それで、この木は、桜？

窓を閉めた室内。特に意味は御座いません

建物が、住宅街の奥まった場所にあり。そして、最上階で、角部屋じゃないのに、角部屋風味。学校のグラウンド、蝉の鳴き声。春になれば、桜。なんだか情緒に訴えかけてきそうなもの、目白押し。窓辺で、ちょっと涙ぐんでしまいそうです。でも、大丈夫。住宅街の奥。角部屋風味ですから。その涙は、そうそう知られることもないでしょう。グラウンドからの幼き視線をのぞけば。

「ねえ、どうして泣いてるの？」

「なんでもないわ。私のことはいいから。さあ、グラウンドで遊んできなさい」

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