"Collect call to Japan, please. Andy, from Hong Kong"

（クリーニング前の内観写真です）

”アレックス様、香港のアンディ様からコレクトコールが” "メッセージは？" "日本の暮らしはどうだ、だそうです"

アンディか？久しぶりだな。今か？家に帰る途中だ。三宿？違う。三軒茶屋だ。どうして三宿なんて地名、知っているんだ。

いや、最寄りの駅は違う。世田谷線と言って、なんていうか、わからないかな。若林駅ってやつだ。だけど、俺は三軒茶屋という駅から家まで、歩いて帰る事が多いんだ。

そうだ、ここが俺の住んでいるマンションだ。見えるか？！　そうだよ、エントランスも何もない。道路からすぐ、エレベーターなんだよ。そうだよ。レッドカーペットだよ。お前も気にいるよ。ホテルみたいだろう？鍵を持っていないと、エレベーターは動かないんだ。

ところで、ジェニーとはうまくいっているのか？え？なんだって？ちくしょう、エレベーターの中は繋がりづらいな。え？ハリウッドスターみたいだな、だって？え？

ここが6階。我が家だよ。そうなんだ、これが決め手さ。日本にもあるんだよ、蛇腹式扉って日本では言うんだよ！

日本への赴任が決まった時。今回は期間が長そうだったからな。つい、国を思わせるこの扉に惹かれてしまったんだ。

それだけじゃないぞ、アンディ。どうだ。広くはないが、やはり窓だろう。俺たちはいつも、肩を組んで空を見上げていたな。

料理はしてこなかったが、さすがに日本でひとり暮らすとな。少しは、料理もするようになったさ。

そうだな。欲を言えば、バルコニーの奥行きがもっと欲しかったが。空は見えるぞ。あの飛行機、Cathayのかな？いや、なんでもない。こっちの話だ。

ジェニーとふたりで、今度ウチに来るといい。そうだな、収納は単身向けだから、荷物は少なめにしてくれ。ああ、言い忘れたが。例のエレベーター。あれ、バイクとか乗り入れて、室内に運び入れていいんだ。そうだ。だから、そうだな。キャリーケースは大型でも大丈夫だぞ！

飾りっ気のないシンプルな白の空間は、そっちのマンションでもよく見かけるだろう？日本の水道事情は良いぞ！全くストレスがない！

JIMBOって知っているか？スイッチパネルだ。ああ。知らなくていい。ライティングレールって知っているか？ああ。知らなくていい。レールに照明を取り付けて照らすんだ。ああ。知らなくていい。

床がクリヤーな仕上げだろう？これがいいんだ。バイクを乗せても、問題ない。このハードな床と、カーペット。柔と剛。面白い空間だよ。

エレベーター以外にも、というか、実は外階段からのぼると、玄関があるんだ。たぶん、普段は使わないだろうな。俺は使っていない。

そっちへ帰るのは３年後だ。今年の夏はジェニーとふたりで来るんだ。積もった話もあるだろう。楽しみにしている。また、近いうちに！

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