そうだ、滝野川住もう 201号室

ひと昔前のデザイナーズ。シナ合板は今も木の香りを放って。

そうだ、滝野川住もう、だなんて。なんで3年前に書いたんでしょう。多分、その時はそういう気分だったのでしょうね。気分、大事。さて。大好きな彼の、2階のお部屋が募集を開始したそうで。見にくる？いくいく！みたいなノリで来てみたのですが。変わらずのコンクリートの外観。植栽を横目に進むアプローチ。募集のお部屋は2階。エレベーターはありません。

玄関を開けてすぐ、シナの合板とコンクリートのお出迎え。振り返れば、シューズボックス。靴もそうですが、小さな傘とか、長靴なんかもおけそうで。

1LDKの間取り、玄関から進むとすぐ、リビングダイニング。ネイビーがアクセントの引き戸。天井にはコンクリートに埋め込まれたシーリングレール。スポットライトが取り付けられています。抜ける眺望はありませんが、お向かいの正面には窓がなく、ちょっと安心。

照明を点けてみれば。電球は適宜お好みのものに変えていただいて。スポットのライトも、光量があれでしたら、お好みのものに変えて頂いて。

居室はシンプルなスタイル。コンクリートの壁面に、横に細長い木材が。絵を飾っても良いし、Tシャツを飾っても良い、かもしれない。映画のポスターなんかも、きっと良い。収納の扉を開けると、ふわりと鼻をくすぐる木の香り。

何を隠そう。いえ、隠すほどでもないのですが。私は、このキッチンのことが好きで。網戸を開けて、小窓を開けると、緑。渋色のタイルが貼られたキッチンで、そよりとした風受けながら、白。良いじゃないですか。そうでもないですか？そうですか。

ひとつ注意点があります。水回りですが、お手洗いを完全に仕切る事ができません。あるのは、すりガラス。おふたりでご入居の場合は、ここは少し気になるかもしれません。

さて。変わらず、Goodなお部屋でした。純粋に、好きなんですよね、この建物。要点を押さえた意匠。主張は強くなく。そして、滝野川。住宅街ですよ、建っているのは、なんて事のない滝野川の。いきなり、デザイナーズが、ドン、ですからね。ドン、じゃないです。トン、くらいです。滝野川。どこ？何があるの？って感じだと思うのですが。東京の西の、余白をコンセプトにしたエリアとか。東京の東のエリアの、下町再活性とか。そんな東京の騒がしい地割に辟易したら。よく分からない、よく知らない滝野川の、地味にGoodなデザイナーズを選ぶ。そんな手もあるんじゃないでしょうか。そうでした、そうでした。だから、膝を打つように。そうだ、滝野川住もう。そんな気持ちで書いたんでした。