決め手はきらめいて

「このお部屋に住みたい、そう思った決め手ですか？そうですね。きらめいて、かな。」

数ヶ月経てば、街も人も変わるって、誰かが言ってました。言ってないかもしれません。西荻窪の南側。アーケードを歩けば、なにやら惹かれる飲食店とか出来てましたね。

特に意味はないのですが、募集のマンションの5階。エレベーターホールと廊下です。実際はもう少し薄暗いかなという印象ですが。それと、1階エントランスはオートロック。

玄関を開けると。なんでしょうね。何やら光が。

みょーんとカーブした室内。ガラスブロックが広がっています。天井には引っ掛けシーリング。ガラスブロックを効果的に演出する照明を付けたいところです。しかしながらの、キッチン。1口ガスコンロ。惜しい。もう少し頑張って欲しい、キッチン。これはもう、致し方ないですね。

奥には居室が。先ほどのガラスブロックの空間とは異なり、木質を前面に出した空間。

キッチンの脇には窓が。目の前がマンションかあ、などと思ったのですが。奥に広くて。

こちらが居室側の窓から見たバルコニー。残念ながら、キッチン側のバルコニーとこちらのバルコニーは繋がってないので、ぐるっと回ってわーいって訳にはいきません。杉並ののどやかな空が拝めますので、よしとしましょう。

お手洗いと浴室が別なのは嬉しいとして。若干設備面では古さがにじみ出ております。洗面台の右脇にスペースがあるので、ちょっとした棚が置けそうな点は好印象。

「やっぱり決め手は、立地ですか？西荻窪ですし。あるいは、賃料ですかね。オートロックに、ディンプルキー。エレベーターもあって、それでこの空間感でこの賃料」

「いえ、もちろん今仰って頂いた事は大事なことですけれど。でも、決め手っていうか、インスピレーションって、そういうスペックの問題じゃないじゃないですか」

「はあ」

「決め手... そうですね、やっぱり、ガラスブロックのきらめきでしょうか。」

「へえ」

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