【募集終了】中野の風が運ぶのは

中野、捉え所のない街です。複数路線が交差するターミナル駅。幹線道路を南北に彩る並木、駅から徒歩数分に広大な公園。昼下がりのひと時を楽しむママ友たち。かと思えば、同じ駅前なのですが、ちょっと猥雑さ感じる路地もあって。住む人、暮らす人によって表情を変える街のように思いますが。ただひとつ確かな事は、中野駅北口、新井薬師へと向かう中野通りの並木道は大変に美しく。この大変に美しい並木道を脇にヒョイッと入った道のマンションの一室。中野の風吹き抜けるメゾネットが借主を募集中です。

戸建感覚が良い、などとメゾネット推しの方は仰りますが。マンションでメゾネットって、そんなに戸建感覚あるんかしら、、？というのが正直な気持ちでした。この物件を見るまでは。それはちょっとした所なのですが、例えば玄関ドアを開けた先のこの廊下。幅広の廊下。天井からスッと落ちてくるようなシーリングライトの灯り。内観全体に通底するシックな印象のブラウンを素敵に照らしていて。やだ、ちょっと素敵じゃないですか。この、お帰りなさい、と家が囁くような感じ。マンションでメゾネット、いいじゃないのさ。

どうしてこの物件を紹介しようと思ったのか。それはこのリビングダイニングの窓たちなんです。やっぱり掃き出しの窓って開口部広めで、開放感がありますので。それでいて、中野でいて、遮るもののないこの眺めですから。紹介せずにはいられませんでした。しかし、このリビング。2面採光ということで、ある意味モノを置きづらい場所だと思うのは私だけでしょうか？例えばキャビネットとか、ソファ？とか、置きづらいよね、とか思ったりします。そんな事思いながら、換気のために窓を開けていたらですよ。ヒュッ、とした風が頬を撫でたわけです。これはもしかして、余計なモノは置かないスタイルが良いのかもしれませんね、などと思った次第です。なにまち？かぜまち。などとは良く言ったもので。ネタが古くてすいません。

メゾネットということで、上階にあがる階段がもちろんあるわけですが。階段をのぼってみると、なるほど納得。戸建だ、戸建だーって。この踊り場。ちょっとウキウキしてしまったのは私だけでしょうか？ちなみますと、ウキウキした時、実にAM7:00。男性ひとり。妙齢。なんだかすみません。下の階から夕飯を知らせる声。すぐ行くー、とか言って。大抵グズグズしていて。ドア蹴破られて小突かれるパターン。

上階には洋室が2部屋。相変わらずシックな色味がナイスでグーな感じなのですが。下の階同様、やはり吹き抜ける風が。中野通りの並木の葉ずれの音が聞こえてくるようです。

上階のもうひとつのお部屋。こちらは腰高の窓ということで、寝室ってあまり開口部多くない方が好きなのは私だけでしょうか？あまり大きな窓のあるお部屋で寝ていると、なんだか丸見え感を感じて寝つきにくくなるって、どこかの学者さんが言っていた気もしますが、私の覚え違いかもしれません。

中野という街なのですが。今まさに駅前の再開発真っ只中。きっと、駅前の年代物のビル群は早晩姿を消していって。便利でおしゃれなスポットへと変貌する、のかもしれません。電動自転車に子を乗せたお母さん、お父さん。所在なげに漂う日雇いの人たち。夜になれば、かすれた笑い声がそこかしこの路地から聞こえてきて。そしてまた夜があけて、早朝勤務の道路工事の警備員たちが、着替える前にタバコなど吸っていて。汚れを失いつつある街、綺麗になり切る前の街。そして、そんな過渡期の街の中心から少し外れた場所のこの70㎡オーバーのメゾネット。お二人で住むのか、お子様連れで住むのか。あるいは、お一人で、事務所兼用で住むのか。いずれにしても、捉え所も、捉えようもないこの街に、今、どうして住もうと考えているのか。内見の際にでもお聞かせ下さい。(多分聞かないです。シャイですから)

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