上野の東の不可思議

タワーマンションはお好きですか？　タワーとまでは行かずとも、高層マンションでも良いのですが。最近よく目にする、共用ラウンジがついていたり、エントランスが贅の沢な感じのやつです。好きです。そうお答えの方に聞きたいのですが、その手のマンションの一室にですよ、ぬくもりある木の質感でまとめられた、室内扉のガラスの使い方が絶妙で、室内の小上がりまであったりする落ち着きある生活空間が賃貸に出ているとして。そうそう、待ってました！みたいな方、どれくらいいるでしょうか。いや、いるんでしょうね。今回募集のお部屋だって、前の借主さんが住んでいたわけですから、ニーズはあるのでしょうね。

何が言いたいのかよくわからないと思いますので、まずは物件を見てみましょう。台東区東上野。上野駅から台東区役所の方面に歩いて行くわけですが、渋い外観が目を引く旧下谷小学校だったり、それと最近では工場改装した素敵な本屋さんがあったりと、なかなか素敵なエリアなわけですが。その一角に、今風~とか言っちゃいそうなマンションが。エントランスとか見てくださいよ。周辺環境との調和を意識したのでしょうか、なんだか和のテイスト感じる植樹感。駐車場とか見てください、ポルシェのカイエン停まってますよ。これはもう、ラグジュアリーな感じのマンションなんでしょうな。バリキャリなリーマンの別邸か、はたまた資本家たちの巣窟か、などと思うわけなのですが。仕方がないので、そろそろっと7階までエレベーターで上がって。チンと鳴ってエレベーターが開けば。ほら、このホテルライクな室内廊下。靴がカーペットに沈むやつですよ。私ここで寝れますよ。もうなんなんでしょう。艶々のマンションだこと、などと思って借主を募集している7階のお部屋の玄関を開けるわけなのですが。

どうでしょう。ワッと飛び込む白い陽の光。光を受けて室内の木材が輝いているように見えて。廊下から奥のダイニングを見やるとですよ。抜けた眺望の先に見える白い雲。ブラックのフレームに縁取られたバルコニーからの眺めはそれだけで風景画。2段の小階段登った小上がりはバルコニーと地続きの感覚だから、間取り表記以上の空間の広がり感。

あらやだ、ふとお隣に目をやれば格子状の木枠に嵌め込まれたガラス。その奥には寝室3.1帖。なんでしょう、この暖かみからくる寛ぎ感。室内廊下戻れば、4.0帖の寝室がもう一室あるし、設備は築浅だから申し分のない仕様だし。

私、偏見を持っていたのでしょうか。タワマンだとか、高級賃貸マンションに住む方って、上階の角部屋で、広いソファにガウン着て寝そべって。ワイングラス片手にシャンデリアの光を浴びてるのでは、と。そういう(どういう?)生活空間を志向するものだと、ずっと思っていたのですが。もしかすると私の認識を改めないといけないのかもしれません。

だって、賃料はざっくり20万円ですからね。それだけの家賃を払えるだけの資力ある方だって、木材の暖かみある部屋を志向される方、いるってことなんですね。なんだか目からウロコ落ちる思いでした。

もうほんとに。こんな素敵住空間、誰が作ったのかしら。なんて思えば、設計はOpen Aさん。よく見ると、物件名には"The Architect"とか書いてますね。外観は黒川紀章さんの事務所による設計ですって？他にblue studioさんの設計したお部屋もあるんですって？なーんだ。そりゃ気持ちの良い空間なわけですね。

ちなみに、ガラス扉なんかはお子様が誤って突っ込んだりしそうですし、平米数からしても、単身の方かあるいはお二人暮らしでの利用を想定されるのが良いんじゃないかって思いました。

ご興味お持ちの方、お問い合わせフォームからご連絡ください。