生活と習慣

根津駅の近く、一周回って格好の良さに磨きがかった80年代のデザイナーズマンションが借主を募集していますのでご紹介を。

文京区弥生、根津駅から歩く事3分。異人坂を登ると見えてくる建屋。コンクリート主体の外観なのですが、どこか80's。渋い。建物エントランスを入るとすぐの1階のお部屋が募集中です。お部屋のハイライトのひとつは、この玄関。室外機マニアには垂涎モノ間違い無い事でしょう。3発もの室外機。それにつけても、この玄関の佇まい。およそ居住用のお部屋には似つかわしくない素っ気の無い風貌。いやしかし、これが良い。出来れば号室表示の下にでも、◯◯デザインオフィス、とか屋号ぶら下げておきたいところですが、こちらの物件、住居専用です。悪しからず、です。

玄関ドアを開けると、そこは深い色味の板張りのスペース。玄関そばには洗濯機置き場。でも待ってください。図面上では、このスペース、ダイニングだそうで。玄関開けたら即ご飯、です。なかなか興味深い物件ですね。

玄関からこのスペースに入った右手側、キッチンとなっています。L字型のキッチンというだけで、もうソワソワしちゃうやつなのですが。こちらのキッチン、広い。冷蔵庫を置いても、なお空いているスペース。食器棚とか置いても良いのでしょうけど、本棚とか置いても良いですよね。角煮を圧力鍋に仕掛け待つ間に、スツールに腰掛けながら本でも読む。最高ですね。ところで、このクリーム色のシステムキッチンですが、外の光を受けた佇まいがまた良くて。このキッチンだけで3杯はいけますね。ビールが。

室内北側に進みましょう。ダイニングを抜けて奥へ進むとちょっとした室内廊下が。この廊下の一部が奥まっていますので、ここにも収納棚が置けそうです。夢、広がりますね。

そして、北側奥のベッドルームへ。照明がなんだか凝っています。なんでしょう、壁面の飾りについては好みが分かれるところかもしれません。ちなみに、フロアはカーペット仕様です。カーペット好きにはたまりません。(私のことです)。こちらのベッドルーム、窓を開けるとちょっとした崖と、眼下には学校が。お隣さんの視線を気にする必要はありません。これはあれですね、カーテンを開けて、遠くに聞こえる生徒たちの歓声をBGMに、ゆっくりと読書できるのかもしれません。午後のうたた寝が気持ちの良いやつです、きっと。

室内廊下反対側にもひと部屋のベッドルームが。ベッドルーム表記ですが、採光窓がありませんのでサービスルーム扱いになります。このお部屋は物置にするのか、はたまた作業に集中するスペースとするのか。根詰めて作業するには適切なスペース感ですね。窓ないですし。

さて、どうでしょう。表記状ベッドルームは2部屋ありますが、サービスルームで睡眠を取るには多少圧迫感が。やはり北側奥のベッドルームを寝床にしたいところです。とすると、リビングに相当するスペースがこの物件にはありませんので、お一人で住まわれる形が良いのではないでしょうか。サービスルームは憩いの場にはなりにくいですし、奥のベッドルームでお二人寛ぐというのはいかにも窮屈でしょうし。例えばどうでしょう。サービスルームで仕事に打ち込み、時折今晩の食事の用意をキッチンで嗜む。静かな生活環境ですから、じっくりとゆっくりと料理に取り組めそうです。食事の後には、ダウンライトがほのかに照らす寝室で読みかけの本に目を通す。本を読む。時間をかけて食事を作る。生活にとりとても大事なこれらの行為ですが、忙しさにかまけておざなりになりがちな事でもあって。ところがこちらのお部屋でなら、なんだか生活に必要な物事を習慣化出来そうな予感がするから不思議です。生活と習慣。大事にしていきたいところですよね。

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