ニュー銭湯とレトロリノベ

ある側面ではパッとしないけど、別のコンテクストが加わると途端に面白く思える。そんなものってありますよね。今回ご紹介する物件もそのような感じで。

物件の所在地は墨田区大平4丁目。錦糸町駅と押上駅のちょうど中間地点に位置するエリア。整然と区切られた平坦な土地に昔懐かしい町工場が残っていつつ、一方で2つの駅は開発が進んで高層マンションが立ち並び。そしてご存知錦糸町の駅周辺にはエスニック街。老いも若きも、属性も様々、国籍も多様な人が入り混じるタウンだと思って頂ければ。

ご紹介の物件は築51年の地上3階建鉄筋コンクリート造の建物の2階。間取り1Kの内装はリノベーションを施されています。床とクロスは白基調。室内ドアやキッチンの吊り戸棚はアクセントとしてネイビーブルーの塗装が。一部壁面は白タイルに黒の目地の組み合わせのシートが貼られています。ここは好みというか、許容できるかどうか分かれる気がします。レトロなモザイクタイルが敷かれたトイレは部屋の経年感と意外にあっていて好感が持てるところ。浴室もよくみるとグレーを基調にタイルで可愛くまとめられていて、嬉しいポイントかなと。

内装の改修が施されているとはいえ、やはり築年数相応に古さを感じます。また、エントランスにオートロック設備がありませんので、セキュリティを気にされる方はご遠慮頂いた方が良いかなと思います。

割と難ありなこちらの物件ですが、あえて推したい理由はその所在地にあります。玄関開けたら30秒で黄金湯。そう、銭湯あり、サウナあり、ビールにDJもありのあの場所です。銭湯フリークのみならず、建築界隈からも熱い視線が注がれているとかいないとかの、あそこです。いろいろ難ありの物件ですが、この銭湯込みで生活を考えるなら、コスト的にもアリだったりするのでは。レトロなリノベにニュースタイルな銭湯。生活の組み合わせとしては悪くないかと。先頭に恋するレトロ風味なリノベ住まいを希望される方からのご連絡をお待ちしております。