暮らしのパースペクティブ

朝起きて学校行ったり仕事行ったりで、帰ってきて布団入って寝る、みたいな。ルーティーンのような一連の行動に辟易することありますよね。そんな日常がかけがえがなかったりもするのですが、それでも適度にルーティーンを見つめ、日常の中の非日常に目を向けたいところです。

でも生活を意識的に見つめるのって案外難しいですよね。休みの日に普段行かない場所に行く、人に会う、本を読む。やれどもやれども既視感は募るし、そもそもそんなに時間も取れないし。

例えば住居自体が日常へのある視座を与えてくれて、非日常に目を向けるきっかけとして動作してくれるなら。

今回ご紹介の物件の所在地は江東区の清澄白河駅と門前仲町駅の中間地点。

1986年に建てられた本物件ですが、改修によりエントランスは洒落た造りになっています。

でも、共用部の随所に置かれた石や玉砂利から漂う感じが違和感あって面白い感じです。

303号室が今回募集のお部屋。1LDKの間取りなのですが、リビングに進むと見える黒枠で壁を抜いた造りが今回のハイライト。

例えば寝室にアートを飾るとき、その部屋の過ごし方を想像して飾るものを決めるとしますよね。今回のお部屋は、リビングから寝室への視点も踏まえて飾るものを決められるという。一般的な間取りでは得られない住まいの視座。非日常への入り口ですね。まさに暮らしのパースペクティブですね。ちょっと無理やり感ありますね。それでも、暮らしの中で非日常に目を向けることには役立ちそうです。

例えばリビングで作業して食事してテレビ見て、その後寝室に移動して本を片手に1日を振り返りながら眠りに落ちる。よくありますよね。そんな時に、ふとリビングを見遣り、1日のONの時間が大きな黒枠に象られて蘇る。

その逆もしかりで。リビングで生活していて、ふと寝室を見遣り、OFFの時間を客観視する。それはまるで絵の世界と現実の世界を仕切る額縁のように。普段忙しさにかまけて意識から抜け落ちがちなONとOFFが連続する生活の時間を、この額縁が切り取ってくれることで、客観的な視座をもたらすとともに、ちょっとした非日常の入り口を開いてくれるような。まさに暮らしのパースペクティブですね。だいぶ無理やり感ありますね。

それでも、シンプルに南西向きの窓から挿す光の角度とかその揺らめきだとか、リビングに面するキッチンでワイン片手に料理したら絶対気持ちよさそうだとか。それと洗面の造作ですが、配管剥き出しのミニマルさと脇の小窓が実は結構気持ちいいと思います。

マンションの前には小川が流れていて桜の季節の遊歩道散歩は格別。大通りに沿って歩けば、歴史感じる長屋群もあって、さらには開放感ある公園もあって。周辺環境含めてなかなか素敵な物件ですので、ご興味ある方はご連絡下さい。(写真はクリーニング前の内装です。入居前にクリーニング入る予定です)